「生まれたばかりの時、それは手の中にすっぽりおさまるほど、白いちっぽけなものだった。くろい耳があり、うしろにしっぽもあるので、どうやら犬だとわかった。私たちはずっと女の子の犬がほしいと思っていたから、それを『ダーシェンカ』と名付けたんだ。」(ČAPEK, Karel. Dášenka čili život štěněte. Praha: Fr. Borový, 1936)
カレル・チャペックの人生と、『ダーシェンカ 子犬の生活』を題材としたオブジェクトシアター&コンサート。カレル・チャペックはナチズムと共産主義の両方に対峙し、1938年に亡くなった。彼が愛情を注いでいた子犬のダーシェンカの目に、1930年代の人間世界はどう映っていたのか。はじめて目を開け、はじめての匂いを嗅ぎ、はじめてのあんよをする子犬のやさしい物語。その背後で、第二次大戦前のチェコで生きるチャペックと、現代のスロヴェニアで生きるソルツェという二人のアーティストが相対している政治的抑圧が見え隠れする。東欧をリードするスロヴェニア人形劇界のスターによる、才気とユーモアに富んだオブジェクト・ソロ芝居。
どれを見るか迷っている方のためのキーワード
#ハンドパペット#オブジェクトシアター#音楽劇#一人芝居#イヌ#チャペック#マサリク大統領#チェコ#スロヴェニア#1930年代作・演出・音楽・出演: Matija Solce
ドラマトゥルギー:Ariel Doron, Sara Evelyn Brown
制作:Teatro Matita & MCLU Koper
言語:ほぼノンバーバル、若干の英語あり(日本語字幕)
推奨年齢:12才以上
上演時間: 60分
スロヴェニアの首都リュブリャナの公立人形劇場の首席演出家でありながら、ソロのパフォーマーやミュージシャンとしても活躍。オブジェクトと音楽の取り合わせの巧みさに定評。東欧圏を代表する若手人形劇人の一人。